最初から詠む方はこちらでござる。
連れている仲間を見てふと思う。
類は友を呼ぶ

よく聞いた言葉の成句だ。
仲間を責めるのは、もうよそう。今更、引き返すわけにもいかないし、引き返したとしても他のライバルたちに遅れを取ってしまう。
まれに学校に入り直し、一から学問を学び直す強者もいるが、俺にはそんな度胸は無い。
しかも、年齢も年齢だ…。
だからと言って、どうのつるぎを置く理由にはならない。
しかしだ、振り返ってみると、なんやかんやでここまでやってこれたのも仲間のおかげ。
笑いあり涙あり…Lv.40は超えている。
何とかこのダンジョンをクリアできるんじゃねぇのか?とわずかな希望の光が見えてきた。

だからと言って敵は容赦なく襲い掛かってくる。
それが、このダンジョンの仕様だ。
もちろんセーブポイントなど、あろうはずがない。
運よく宿屋に泊まれたとしても、翌日には理不尽というモンスターが待っている。
それでも俺の仲間は相変わらずだ。
一人は鼻歌交じりに適当な魔法を放ち、敵にダメージを与えられない。
そしてもう一人はタイミングの外した回復魔法を唱え、さらに残りの一人は「何とかなるだろう」と不気味に微笑んでいる。

…正直なところ、不安でしかない。
だが、ふと気づく。
それでも彼らは、目前の敵と戦っているではないか。
完璧ではないけれど、途中で投げ出したりしていない。
確かに戦い方は、本当に雑だ。
けれど、進むべき方向は同じ。
姫を助け出し、魔王を倒す。そして世界を平和にする目的は、一緒なんだ。
もしかするとこのダンジョンは「優秀な仲間を集めるゲーム」じゃなく「不完全な仲間とより良いゴールを目指す」ことなのかもしれない。

この“より良いゴール”というのは、人によって様々だ。
・大富豪になる💰
・イケメン彼氏といつまでも💏
・平凡でもいい、幸せな家族さえいれば👨👩👧👦
・健康は二の次、太く短い人生でエエんや🧌
こうした人生の目標はそれぞれあるのだろうけど、どの程度の達成率で人生を終えるのか。
50%なのか、それとも80%なのか。
中には、100%達成できる者もいるだろう。
その答えはそれぞれの歩んだ過程が、そのまま反映されると言っても過言ではない。
そう考えると少しだけ肩の力が抜け、剣の握りもほんのわずかに軽くなる。
次の扉の向こうには、おそらく強敵がいる。
殺りくマシーンに屈強な独眼鬼。それとも翼の折れたの堕天使あたりか?

それでも進み続ける。
なぜなら――
ひき返せる保証もなく、しかもMPもやくそうも残りわずかだ。
ただ前に進めば、結果はどうあれ少なくとも物語は続く。
それが、ダンジョンという名の人生なんだ。
かわのよろいは相変わらず心もとない。
そのせいか、いつの間にやら体中が傷だらけ。
しかし、その分Lv.アップしているのも自覚できている。

新しい魔法や特技を覚えた。
ダンジョンの途中で拾ったアイテムもそれなりに持ってる。
なんとかなる。希望の光がまた差し込んできた。
これの繰り返しなんだ…諦めなきゃ、何とかなる。
少しだけ、ダンジョンの歩き方が分かったような気がする。
…まぁ、今日も全滅しなけりゃ、御の字だ。
そうつぶやきながら、俺は仲間と次の扉を手に掛けた。
…続く
◆
岡山県の南部と北部はまるで世界が違う。
南部は晴天。
しかし、北部は白銀の世界が広がる。

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