最初から詠む方はこちらでござる。
食べちゃお♡

その語尾の軽さが、今いる世界に妙に馴染んでいて、にわかに腹立たしい。
見た目はどう考えても食い物じゃない。
踏めば巨大化するかもしれない。
食えばただ腹を壊すだけかもしれない。
迷っている時点でもうこの世界の住人だ。
ただただ目の前のモンスターをぶった切るのが、前の世界では正義だった。
とりあえず俺は、そのキノコを拾ってポケットにしまった。
どう使うかどうかは、次の局面で決めよう。
相変わらず仲間の女が食べろとせかす。
慎重な俺は仲間を諭し、奥へと進んだ。
しばらく歩いていると、ブロックが浮いている。
しかもそれらは、怪しく光っている…。

叩くべきか、避けるべきか。
さらにその向こうで、土管が口を開けている。
入れば近道か、罠か。
……忙しいな、人生。
迷いはなかった。
なぜか。
この愛らしい世界のモンスターをぶった切るのは、少々心が痛む。
どうも性に合わない。
俺は、急いで土管に飛び込んだ。

仲間も続いて土管の中に入っていく。
その中は暗く、湿っている。ひたすら進んでいくと一片の光が見えてきた。
近づくたびその光も大きくなり、次の世界の空気を感じ取った。
悲壮、喪失、滅び…それらが交錯するような悲しき中にも僅かな希望が見える。
まるで、星が傷ついた後の静けさのようだ。
そんな空気が俺の頬をかすめた。
そうこうしている間に近づいてくる光が、いきなり俺たちを包む。
……今度はなんだ?!
先ほどのポップな世界観とは真逆の地。
かわいいの”か”の字もない。
ドラクエの世界に似てるようで違う。さっき感じ取った違和感は、間違いじゃなかった。
ここは重い。息をするたび、肺の奥まで突き刺さる。
運命に抗う者たちが、仲間とともに喪失と希望を抱え、コアを奪い合う世界。
しかも、その仲間も敵か味方か分かったもんじゃない。
裏切りと野望が渦巻く荒野をひたすら進む世界。
限られた選択肢。ならば、この世界でやるだけやってみるか、と自分に言い聞かせ……
!?

いきなり、雷が俺たちを歓迎してくれた。
なんて粋な出迎えなんだ。嫌いじゃないぜ。
だけど、即死級の破壊力。
生きるか死ぬか。俺か俺以外か。
冗談はここまでにして、何とかこの世界をクリアしなきゃならない。
あの老翁、なぜか俺の記憶にある。
腰はおろか、地に届きそうなほど伸びた白い髭。大地の鼓動や魔力に反応するかのように揺れている。
は、は~ん。ここは”ファンタジーの顔をした終末”の世界だ。
ということは、あれは神獣か?卓越した人智を顕現化したものなんだろう。
もはや、チートキャラ。

だからと言って、反則じゃない。ちゃんとその世界のルールに従って存在している。
現実世界でも神獣を呼び出す、つまり、ずば抜けた頭脳や身体能力を司る力。
これらの能力を神獣に置き換えることができる。
シリコンバレーやメジャーリーグ。
そにはそれらがウジャウジャいる世界。
そう簡単に誰もが踏み入れることが許されない狭き門である。
オ、オレだって召喚できるかもしれない…。
少年期、かめはめ波が出るかどうか確かめたことはある。その時は出なかったが…。
ちなみに、男子諸君であれば一度は試したことがあるはずアレだ。
かめはめ波のやり方は知ってる。出なかったがな…。
それじゃ、神獣はどうやって出すんだ??
と、とりあえずスーパーサイヤ人みたく、力んでみっか!
…ぬ、ぬぅぅ…
ぬぉぉぉぉぉぉーーー

…
…
〽いや チョットマッテ チョットマッテ お兄さ~ん♪
この歌が、脳内を巡り始めた。
この世界じゃ、神獣って呼び出すもんだよな?
これじゃ、俺がそのものになっちまうぞ??
でもまぁ体から光が出てきたし、なんか起こりそうだからこのまま「ぬわぁぁぁー」を続けよっと。
…
?!…あれ?なんか出てきたぞ。
続く…。
第伍話は、こちらから。
※本記事および画像は特定作品を再現するものではありません
◆
おっと、地震だわー。

島根で震度5。ここ岡山でも多少ながら揺れたぞ。
現在、カフェにて本記事を執筆中。
スマホから警報音が、店内に一斉に鳴り響く。

こんな記事書いてるから一瞬、神獣とリンクしたのかと思ったわ…。