自宅マンションの1階でエレベータを待っていた。
すると、一人の女が今にも吹き出しそうな顔でエレベーターから出てきた。

手にはスマホ。耳には有線イヤホン。
イヤホンの線をゆらゆら揺らしながら、こちらをチラ見してきた。
歯茎を見せ、にやけている。
年齢は…23,4頃だろうか。
いたってどこにでもいるような女。
白と黒のワンピースを身にまとい、スマホをがっちり握っていた。
エレベーターから出てきた瞬間、女もビビっただろう。
まさか、人(俺)がいるなんて…と。
それもそのはず、時刻は日曜日の午前6時前。
逆だ、逆。
俺がビビったわい!
だけど、そんなに珍しくない光景になったのも事実。
「ニヤニヤしやがって、気持ち悪りぃな…」と数年前は思っていたが、今はそんなに思わない。
今や、そこら中にいる。
独り言かと思ったら、通話してるし、歌ってるやつもいる。
しかも、結構な声量で。
さらに、ミュージックステーションのステージで歌っているかのように。

スマホやイヤホンさえあれば、駅でも、道端でも、瞬時に自分専用の世界へ入ることができる。
言うなれば、公共空間の私室化である。
誰にも邪魔されず、自分の好きなものだけを見て、自分の好きな音だけを聞き、自分だけの世界でニヤニヤできる。
ただ、一つだけ問題がある。
その「私室」には、壁がない。
今後、仮想空間(メタバース)が生活にさらに入り込めば、そこら中でパンツを脱ぎだす者も出てくるかもしれない。
他人事ではない。
俺も気を付けよう。
◆
夏の甲子園が終わった。
『イニング7回制へ』の議論があるが、どうなんでしょうね。
感覚的に反対意見が多そうだ…。